小学校・中学校の通学路や公共施設を中心に、村民の安全を強化
北中城村様は、総面積11.54 k㎡のうち、14.2%(1.641 k㎡)に米軍基地が広がる環境であることに加え、近年は観光事業へ注力していることで、村民以外の人も多数行き来する状況にあります。そのため、以前より村の安全を守るための対策を強化する必要性が求められていました。そこで沖縄県の市町村などで防犯カメラなどに必要な費用を政府が全額補助する事業(2017年度に実施)を活用。自治会からの要望を踏まえて、小学校や中学校、不特定多数が出入りする公共施設などに対して、犯罪行為をけん制するとともに、画像による証拠を残せる、防犯カメラを設置することになりました。
村民への安全安心の提供と住民のプライバシー保護を両立
防犯カメラの設置にあたり、住民のプライバシー保護は必須でした。そこで、撮影したカメラ画像に対して、住宅などが映り込む際はその部分を覆い隠す(マスキング)仕様や、監視センターのモニターなどで常時監視されるのでは、という住民の不安へ配慮から、警察から画像の提供依頼があった際に対象のカメラに対して日時を指定した上で都度画像を取得する方式を求めました。また、海沿いへの設置は耐重塩害仕様のシステムが必要でした。様々な条件のもとで公募型プロポーザルを行った結果、最も評価の高かったパナソニックの防犯カメラシステムを選定しました。
プライバシー対応が行われた鮮明な画像を、運用ルールを定めた要綱に沿って適切に管理
防犯カメラは、住宅が映り込む場合、実際に指定した住宅部分を覆い隠す処理(マスキング)をした画像を居住者本人から了承を得たうえで設置。撮影された画像は、「北中城村防犯カメラの管理および運用に関する要綱(平成29年10月1日訓令第29号)」により、記録は2週間で上書きするなどの管理、運用が行われています。また、カメラ画像に対して総務係長の平田清徳様は、「今回は街灯のない場所での設置はありませんでしたが、それでも夜間も画像が鮮明であることには驚き ました」と語ります。
撮影された画像は、専用のタブレット端末へ無線伝送で高速ダウンロード
防犯カメラの画像は警察からの依頼があった際に、現地でカメラシステムから専用のタブレット端末へダウンロードを行います。ダウンロードは電柱の上部など高い場所に取り付けられたカメラシステムの下で60GHz帯の高速無線伝送によって実施。総務係主査の伊佐常倫様は、「ダウンロードは3日分の画像も数分でダウンロードすることができるなど、体感速度として非常に速いと感じています。また、タブレット端末は操作が簡単で耐久性があるだけではなく、雨の日は傘を持ちながら作業ができるなど効率的です」と評価しています。
- アイプロシリーズ ネットワークカメラ × 290台
WV-S1531LNJ
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WV-SW458 - ネットワークカメラ用 60GHz通信BOX × 312台
BN-GBBB12SWA
BN-GBBA12SWA - 業務用SDメモリーカード BN-SFX256SWA
- TOUGHPAD FZ-G1
導入当初の提案で、製品は7年保証ということでしたので、それは壊れづらい機器に対する自信の表れと安心していました。実際に設置から2年が経過し、海沿いに設置された防犯カメラであっても故障はもちろん、錆などもありません。また、定期的なメンテナンスやシステムのバージョンアップも行われていてサポート体制も十分です。今後は予算にあわせて、さらに必要な場所への防犯カメラ導入を進めることも検討しながら、さらなる村民の安全強化に貢献していきたいと考えています。
北中城村(きたなかぐすくそん)は、那覇から北東へ16km離れた沖縄本島の中部地区に位置し、東は中城湾に面しています。日本国内の村として最も人口密度が高く、5番目に多い17,557人(2020年2月現在)が暮らしています。村には世界遺産の中城城跡や国指定重要文化財があるなど、各地に先人たちから受け継いできた文化財が残っています。
住民のプライバシーを守りながら、小学校・中学校の通学路や公共施設の出入り口など、村民の安全を強化したい。
防犯カメラシステムを導入。住宅が写る部分に対してマスキング機能を使用するだけでなく、スタンドアローン型の画像ダウンロード方式でプライバシーを保護。
村民の生活における安全強化とプライバシー保護を両立できたことで、犯罪行為に対する抑止効果とともに、円滑な事後検証が可能な防犯システムになりました。